POPを日々作っていて、作ることに慣れてくるともっと効果のある方法を知りたくなりませんか?
今回はさらに効果のあるPOPにするための文章について解説します。
新卒で入社して1年目からクレーンゲームの担当になり、昨対の客単価比150%を達成して14ヶ月連続で売り上げ予算を達成。 その後、規模が大きい店舗を複数経験し、恋人との生活を優先するため退職。 笑顔が溢れる職場、お店にすることをモットーに副店長として勤務していました。
商品の説明をするだけでは人の心は動かない

まず、一番重要なことを伝えます!
商品を訴求するときは「商品」ではなく「商品を使ったことによって変わる状態」を伝えることが重要です。
大事なことなので、もう一回言います。
商品を訴求するときは「商品」ではなく「商品を使ったことによって変わる状態」を伝えることが重要です。
高度経済成長のような、物が不足している時代であれば商品スペックや特徴を説明するだけで売れていきました。
しかし、現在は物が溢れています。
似たようなスペックの商品が中国産や日本製問わずたくさんありますよね。
そのため、状態を売る必要があります。
例えば、昔のスバルのCMではツインターボがどうとか、燃費がどうとかを推していました。
でも、今や燃費はどこも似たり寄ったりで燃費が少し違うくらいでは買う理由になりませんよね。
最近のCMは見たことありますか?
親子の仲直りのきっかけに・・・とか、かつての思い出を次の世代に・・・みたいにストーリーをメインに出しています。
このCMでは「スバル車があった家族との生活に安心と心地よさ」がある状態をストーリーで伝えています。
状態を伝えることで興味をそそられることが理解できたと思います。
↓では、状態を伝える時に役に立つ心理トリガーと書くときのポイントを解説しています。
心を動かす3つのトリガー

本音と建前
こうあるべきという建前とこうありたいという本音のギャップで心を動かします。
このギャップが強いエネルギーになります。
例えば、ある食洗機のコピーでは
- がんばるママの手が、悲鳴を上げています
- 年中、手荒れに悩むママに朗報です
お母さんが家事をするのが当たり前、食器を洗うのが当たり前と家事が苦手であっても役割をになって頑張っています。
このコピーはそんな女性の建前を認め、手荒れという切り口で共感し、できれば洗い物の負担を軽くしたいという本音に働きかけています。
悩み
人の悩みは主に4種類に分類されます。
Health:健康、美容
Ambition:夢、将来、キャリア
Relation:人間関係、結婚、恋人、会社
Money:お金
この4つのイニシャルを取ってHARMと呼ばれることがあります。
年代や性別により悩み自体は変わりますが、活用することでターゲットの悩みを予測することができます。
このHARMを活かしたコピーには以下のようなものがあります。
10代向けであれば「受験だけが全てじゃない。そう思ったら夏の短期留学」
20代の大学生向けであれば「内定者の83%が来場した適職フェア」
定年後のサラリーマンなら「毎年200万円の年金だけで生活できますか?」
と、どうして私の悩みを知っているの?とドキッとするようなコピーにすることができます。
あなただけの
「この番組をご覧のあなただけに!特別に年間数カラットしか獲れない貴重なダイヤモンドをあしらったアクセサリーをご提供します!番組終了後1時間以内のお電話で5,000円お値引きします!」
こんなテレビショッピング番組を見たことはありますか?
人は「あなただけの」情報に弱いのです。
さらに、「あなただけ」と言われた情報に希少性があれば効果抜群です!
例えば、「新店舗の情報は先に〇〇さんだけに伝えておきますね、ただ、部長にもまだ報告していないので、内密にお願いします。」
貴重な情報に聞こえるはずです。
商品POPで使うなら「このPOPを読んだあなたに朗報です。エチオピア産の貴重なコーヒー豆!売り切れ続出で本日ようやく入荷しました!お早めにお買い求めください。」
書き方の3つのポイント

書き出しはポジティブに
第一印象がいい人を思い浮かべてみてください。
笑顔が素敵な人や元気な発声をしている人、清潔感のある人などを想像したのではないでしょうか。
第一印象とは最初の7秒で決まり、その印象は半年間継続すると言われています。
これを初頭効果と言います。
文章でも初頭効果があります。
書き始めで読み手にちょっと嬉しいとかちょっと気になるとか、ポジティブな印象を与えることで、それ以降の文章も読んでもらいやすくなります。
例えばPOPに書くなら
「生まれて初めての味でした!
豊かな風味ともちもちとした食感が特徴です。
店内中央特設ブースにて販売中!
ぜひパティスリー○△の新作菓子をお求めください。 」
何度も繰り返す
同じ「意味」と「感情」を異なる表現で繰り返すことで説得力を上げることができます。
同じ表現であれば2回までで、3回以上だとくどい印象を与えます。
ある民事裁判の陪審員に対する実験で「被告人は無罪である」ことの証明の説得力を調べたものがありました。
異なる表現で3回繰り返した時には46%、10回繰り返した時には82%も説得力が上昇した結果が出ています。
話しかけるように書く
人は文章よりも会話の方が覚えやすいという特徴があります。
そのため、話しかけるように書くことで読み手に説得力を上げることができます。
しかし、どのように書いたらいいかわからないと思います。
そのためには書き手と読み手の会話をイメージして会話分のまま書きだすことで、簡単に描けるようになります。
なぜそれで説得力が上がる文章になるかと言うと、相手の反応を自然に取り込んだ文章になるからです。
実際の会話では身振り手振りなどで相手の反応を意識しているため、文章よりも人は覚えやすい(説得力がある状態)になります。
例えば掃除機の販売であれば
最新型の掃除機は性能はいいけど、高そうですね。
ご安心ください!この掃除機には1年間の返金保証がついています。
そうなんですか?!その返金保証はどうすれば適用してもらえるのでしょうか?
ご購入いただいた際のレシートと本体をこちらにお持ちいただくか、インターネットからお申し込みいただくことで弊社のスタッフがお伺いして手続きすることができます。
これを文章にすると・・・
もしかするとあなたは、最新型の掃除機を購入するのに高い買い物を失敗することを不安に思っているかもしれません。
しかし、安心してください。
この商品には1年間の返金保証がついています。
申請方法もとても簡単で購入した際のレシートと本体をお店までお持ちいただくか、インターネットからの申請で弊社のスタッフがご自宅まで伺い手続きをすることができます。
このように、購入後も不安なくご使用いただくことができます。
まとめ
売りたい商品は使ったあとの状態を売りましょう!
うまくいった未来を想像させるためのテクニックを紹介しました。
練習をしていけば少しずつ使えるようになると思いますよ٩( ‘ω’ )و
ちなみに、「商品の説明をするだけでは人の心は動かない」の章は「書き方の3つのポイント」を意識して書いたので、振り返って見てもらえると嬉しいです。
ただ、今回紹介したのはテクニックのうちでも、現場レベルで使いやすい物をピックアップしています。
他にもトリガーやテクニックはあるので、また紹介したいと思います。
ありがとうございましたm(_ _)m