2020年4月から始まる同一労働同一賃金があることで、経営の不安がある店長やマネージャーに向けて影響を解説します。
経営側の負担は微増になる
同一労働同一賃金のガイドラインを読んだことはありますか?
この法律にまず、罰則はありません。
ただし、使用者は雇用主に待遇の違いについて説明を求める権利が明文化されます。
待遇差について明確に答えられなければ、いけないのです。
でも、待遇が違う理由をしっかりと説明でき、合理性が認められれば問題ありません。
合理性が認められない場合には賠償請求される可能性はあります。
また、この「合理性」という言葉もアバウトですよね。
例えば「賞与」についてならこう書いてあります。
賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものにつ いて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献 に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。
全文ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000469932.pdf
「貢献」とは何を言うのでしょう?誰が決めるのでしょう?どう決めるのでしょう?
店長やマネージャーなど給与権を持った人のさじ加減な部分が大いにあります。
つまり、業務内容に関する待遇さについては管理者が考えて、客観的にも問題のない説明ができれば現状維持も可能なわけです!
必ず仕事内容に関わらず負担が増えるものと負担した分を補う対策を紹介します。
必ずお店の負担が増えること
業務内容によらず、同じ業務に従事している人であれば平等にしなければな入らないのは3つあります。
- 慶長休暇
- 福利厚生
- 交通費
慶長休暇
冠婚葬祭に関する休暇のことです。
また、会社毎に創立記念日などで独自の休みがある場合にはその休暇も当てはまります。
例えば、僕は今IT系の派遣で働いているんですが、年末年始は有給を強制的に使わされていますが、これが有給を消化する必要がなくなります。
※これ法的に大丈夫なのかな・・・w
福利厚生
食堂やリフレッシュルーム、保養地の利用やフィットネスクラブの優待などの権利も平等になります。
身近なところだと、従業員用に常設しているコーヒーやお茶、お茶菓子なども福利厚生の一つです。
派遣社員の食堂の利用を禁止している企業なんかもあるらしいですが、そこも是正されていきますね。
交通費
これは言わずもがなですが、アルバイトでも普通実費で交通費は出ますよね。
実はまだ月に最大5000円までしか出しませんと言う企業もあります。
僕の今の会社なんかは特にそれですw
駐車場代とガソリン台で毎月赤字です。
ちょっと話がそれましたが、電車で来ようが、バスで来ようが、自家用車で来ようが正社員にちゃんと出しているなら、みんな同じく支給されるようになります。
同一労働同一賃金への対策
業務と関係ない部分で負担が増えるとしても、驚くほど負担が増えることがない理由がわかったでしょうか。
労働者の権利として一歩前進したとしてもまだ一歩です。
残念ながら、まだまだザルです。
安倍総理は10年後には待遇差を正社員が10なら、非正規は8〜9まで改善したいと言っていますね。
今後の動向に期待です!
ただ、経営の負担が増えることは事実ですので、負担が増えることに対する、経営側ができることを紹介していきます。
仕事区分の明確化
まずは役割をはっきりさせることです。
イメージするなら工場の工程管理と作業者のイメージですね。
役割をはっきりさせて、仕事内容を固定することで待遇差の根拠を明確にすることができます。
例えば、接客しかしないスタッフ、入れ替えしかしないスタッフ、清掃のみのスタッフ、全部やれるスタッフなどなど。
未経験の状態で時給1000円だとすると、接客ができるようになればプラス50円とか職務に応じて人件費の管理ができるようになります。
スタッフのモチベーションアップにも繋がりそうですね٩( ‘ω’ )و
生産性UP
生産性と聞いて業務の効率化を考えたかもしれませんが、利益をあげる=生産すると考えた時に、生産性は価格のアップになります。
つまり、消費者に負担がかかるパターンです。
UFOキャッチャーの景品なら1個の想定払い出し金額が2000円だった商品は2500円で払い出さなければならなくなるかもしれません。
ここはプライズ担当者の腕の見せ所、クレーンゲームの楽しさを損わずに売り上げもキープするところかもしれませんが、実際に運営が苦しくなることは必至でしょう。
正社員の手当てカット
スタッフ側に基準を合わせていく方法です。
正社員の住居手当てや職務給などを削ります。
ただ、難易度は紹介する中では一番高いと思います。
なぜなら、すでに契約している内容について変更をする場合には労使の過半数の同意がいるからです。
ほとんどの社員は同意するわけないですよね。
だから難しいのです。
従業員数の削減
今後本格的にロボットの導入やセルフの仕組みが導入されてくるでしょう。
実はすでに最新のUFOキャッチャーでは少しだけ導入されています。
設定で無効にできるので、使っているお店は少ないかもしれませんが、取り方のコツを画面に出したり、いらっしゃいませ!や、ありがとうございました!、また来てね!など挨拶をする機能がついています。
ロボットの設定をするところはまだ手動なので、自動で取り方を分析して、お客様の状況に合わせて声をかける機種が出てくれば業界が変わるかもしれません。
対策を進めることで変わる業界の未来予測
今後の法律の流れから考えられる、未来予想があります。
一人の業界経験者の予測なので、信じるか信じないかはあなた次第です!
母体の営業時間が減る
都市部以上に田舎や郊外は人手不足が進んでいます。
ショッピングセンターとテナントの契約では営業時間の取り決めがあり、開店が遅れると事故になり、企業の信用に響きます。
しかし、コンビニが続々と24時間営業をやめている中でショッピングセンターが遅くまで営業を続けるとは思えません。
数年後にはテナントから営業時間を減らして欲しいと言う声が強くなってくるでしょう。
人口の現象に伴って今22時まで営業しているショッピングセンターも20時までの営業になってくるのは、そう遠くない未来かと。。。
土地面積の大きな店への投資が減り、都市部や地方都市にしかゲームセンターがなくなる
ショッピングセンターの営業時間に関係する話ですが、営業時間が短くのなると多少なりとも売り上げが減ります。
売り上げが減ると機械や内装に投資した金額を回収するのに時間がかかるようになります。
すると、たくさん投資しても回収までに耐用年数が経過してしまう可能性が出てきます。
また、流行り廃りのサイクルが早くなってきていて、今やゲームセンターでないと遊べないゲームも減ってきています。
ますます、利益を出すことが難しくなるので、投資の回収ができる小さめのお店が増えてくると考えられます。
また、売り上げをあげるために人口の多い都市に出店を進めるため、田舎ではゲームセンターがなくなり、一つの県にゲームセンターは2つ〜3つになるところも出てくるでしょう。
まだ焦る時じゃない。
- 同一労働同一賃金で経営負担は増えるけど、まだ微増程度
- 利益を考えてできることもまだまだある。
- ただし、さらに先の未来も考えないと危ない。
法改正が来ても経営的にまだ焦らなくて大丈夫です。
焦るのは罰則がつくようになってからでも遅くないかもしれないです。
また、ガイドラインには業務のウェイトの決め方なども書いているので、次は給与の決定に関することをまとめようと思います。
お楽しみに♪